大膳はぼつんと、在る。
周囲に店は少ない。南与野駅からたったの1、2分なのに。そこに海鮮飲み屋が一軒あっても、普通あまり期待しない。そういう風情だ。
ランチの海鮮丼を頼むと決めていたが、おまかせ(748円)と特上(1045円)がある。どう違うんですか?
「特上のほうがネタがいい感じ」
熱そうな緑茶を盆で持ってきてくれたおばちゃんは、しごくもっともな回答をくれた。
「おすすめは特上ですけど」
ポツリと加えた。その一言がとっても大事。オススメに従う。
わさびを醤油で溶いて、かけ回す。
初めてなので、どんなネタがどのくらい盛られているかわからない。山を崩さぬよう慎重にかき分ける。宝探しの風情。
てっぺんにウニ。おいしいのは取っておく派代表だが、ここからいくしかないと覚悟を決める。
あ、うまい。
正直あまり期待していなかった。裏切られることがほとんどだから。でも、いつもすぐに追ってくる独特の生臭さ、ウニ好きならガマンできるがそうでないと無理な、あの生臭さが来ない。すごいぞ。
小肌、いかと食べみ、中落ちもいい。
今日の主役はブリ。3枚盛られたブリ。これがまた一点の曇りなく、脂がのっているのか、コクがあり、まさにとろける旨さ。
実は店の良い噂は聞いていた。しかし予想を超えた。ランチの大エビ+カキフライ(刺身付1100円)やおまかせ御膳(1210円)も食べたい。夜も来たい。
胸は踊るばかりである。
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