前から行きたいと思っていたかね吉を日曜日の17時過ぎに訪問する。
なにせ営業が16時から20時なのだ。なかなか行けない。
かね吉は北浦和西口商店街にある。魚屋が店内で居酒屋をやっているようだ。店頭では魚も売ってるが、今では居酒屋が主に見える。
まず1000円セットが秀逸だ。
セットにもいくつかの種類があるが、選んだAセットはカツオ(もしくはタイ)の刺身と、ブリの塩焼き、そしてドリンクが付いている。
まずは生ビールを頼む。お通しはゲソ焼+マヨネーズ。これも悪くない。
カツオが供されるまでしばらく間があくが、お通しと生ビールを楽しむ時間がある。
しばらくしてやってきたカツオはやや小さめの刺身が5切れ。でも十分だ。たっぷりの生姜とネギもついている。年をとると薬味がむしろ主役だと思う。薬味の有無で刺身の旨さは倍は違う。
ツマも全て食べたくなるやつ。皿はきれいにした。
刺身を3切れ食べたところで、鰤の塩焼きがやってくる。薄切り、小ぶりだが悪くない。皮までパリッと焼かれていて全て食べたくなる。おまけに塩がしっかり効いている。塩が魚の旨みを引き出すのか。小ぶりと思ったが、存分に魚の旨みを楽しめる。大根おろしでの味変も良し。
日本酒 神渡(みわたり 半合450円)を頼む。うまいが甘い。料理に合うとは言えない。わかっていた。
隣の客がカワハギ薄造りを頼んでいる。しかも肝がついている。そうなんだよ。数年前からこれが食べたいと思っていた。でも今日のコンセプトはちょいとつまんで済ませて、はしご酒をすること。ここで終わらすか、それともカワハギ頼むか。隣人を見ると、ポン酢に刺身をつけて食べた後、別添えのマヨネーズ(肝?)みたいなものをちょいちょい口に運んでいる。うーん旨そう。もみじおろしやネギもある。食べたい。
結局頼む。ここで逃したら、この後いつ会えるかわからない。ここで終わってもいい。合わせる日本酒 信州亀齢(半合450円)も頼む。
しばらく待ってようやくやってきたカワハギ薄造り。小さな皿にフグのような薄造りが22枚ほど円を描いている。贅沢だ。小宇宙だ。
何もつけずに食べてみる。さすがに淡白で、魚本来のわずかな臭みも感じる。
ネギをのせるとやや緩和されるが、それでも臭みは消えない。もみじおろしが加える辛味も重要なのだと悟る。
今度は肝をつけてみる。肝はコクを加えてくれるが臭みは変わりない。
結局、全部の要素が必要なのだ。コク、辛味、ネギの鮮烈さ。全ての要素があわさり、淡いカワハギの薄造りは完成する。
そう気づいた後、全てをまぶす。これで完璧だ。
しめて3278円。カワハギと日本酒を追加しなければ1000円代だった。ずいぶん違うが、ここで頼んでおかなければ、また何年もカワハギの幻想と付き合わねばならなかった。みそぎだ。
コメント