北浦和駅前のロータリーから脇道にそれたところに「キッキン喜久」はある。レトロな外観。ずっと入りたかった。
店内も期待に違わない。昭和を懐かしむテーマパークにありそうだけど、本物にしか出せない雰囲気がある。
カキフライを頼むと決めていた。シーズンも終わろうというのにまだ食べてなかった。
メニューはこんな感じ。
「日替わりは終了してます」
入店時に言われていた。格安の人気メニューは開店早々に売り切れるらしい。
壁には夜メニューもある。
全てが魅力的。
「お任せ5点盛」で一杯飲みたくてしょうがない。一体何が盛られるのか。少しずつ色んなおかずをつまむのが大好きだ。小海老のカマンベール春巻もいい。
カウンターにサントリーウイスキーと赤霧島とキンミヤのボトルが並んでいる。ハイボールか、水割りか。ワインも日本酒もあるらしい。
カキフライがきた。
ちょうどいい。量も、味も、店にぴったりあっている。サラダの量がもう少し多ければ完璧だ。
昔勤めていた九段下近くの洋食屋に酷似している。
店を切り盛りする初老のマダム、サポートする娘さん、厨房ではご主人もしくは息子さんが忙しく動き回る。雰囲気、人の構成、味、袋入りの割り箸まで全て似ている。味噌汁の味も似ていると思ったが、もしかしたら洋食に味噌汁を合わせているからかも知らない。
壁にはほこりをかぶったアメ色のインターホン。今も使っているのだろうか。
いつまでも残って欲しい北浦和の重要文化財。夜も来てみないと。その真価はまだ計り知れない。
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