これも前出の個人経営の不動産屋さんが教えてくれた言葉です。
「家を決める時は、夫婦で喧嘩するほど話しあってください」
この言葉が心に染みたのは、私が「一度購入を決めた家を解約する」という苦い経験をしたからでした。
なぜそんな失敗をしてしまったのか。詳しくは別に書きますが、最大の原因は「夫婦間での話し合いが足りなかったから」です。
仲が悪くて話さなかった訳ではありません。それなりに話したつもりでしたが、それでも足りなかった。「喧嘩するほど議論する」ができていなかったのです。
議論し尽くせなかった原因
決断を急ぎ過ぎた
原因の一つは「決断を急ぎ過ぎた」ことです。それは仲介業者から「今日決めてくれれば安くします」と言われたのがきっかけでした。
「急いで決めなくては」という思いが焦りに変わり、正常な思考能力が妨げられました。また単純に時間が限られるので、検討すべき材料を全て洗い出せませんでした。
「えー、今日中だって?どうするどうする?!(妻)」「ええいっ、決めちゃえ!(夫)」
と、そこまで浅はかだった訳ではありません。ただ、思い返すとそれに近い焦りがあったように思います。
「今日決めたら安くしますよ」その言葉には十分に注意してください。他で売れなければ、きっと明日になったって、明後日になったって、変わらず安くしてくれますよ。
片方の思いを尊重し過ぎた
もう一つの原因は、私が妻の気持ちを尊重しようとしすぎたことです。
解約した家を最初に気に入ったのは妻でした。気に入った最大の理由は「今の家と近く、子供の学校や習い事が変わらずに済む」ためでした。半年前に京都から引っ越してきたばかり、という事情もありました。
「こんなに妻が気に入っているのだから、その思いを大事にしよう」と思いました。また妻は専業主婦のため、「家に一番長くいる妻の思いを重視すべき」と思ったのです。
その考え自体は間違いではなかったと思います。しかし当然ながら夫の私も住むのですから、私の思いも主張すべきでした。この時は、価格が高い割に土地、そして部屋が狭いことが最後まで納得できませんでした。
夫婦で異なる視点を活かす
夫婦でも家に対して重要視する点は異なります。また、どちらかしか気づけないメリットやデメリットもあります。思ったこと、気づいたことは、トコトン話しておかないと、買ってからでは遅いのです。
議論を深めるコツ
「そうはいってもなかなか議論が深まらないんだよね」そうなんです。ボヤッと話しあい続けても「何となく良さそうだけど…」で止まってしまいます。
良し悪しを見える化する
そんな時は検討する家の良い点・悪い点を「見える化」しましょう。自分達の希望にどれだけ合っているのかどうか、紙に書き出すのです。
見える化すれば、良い点・悪い点のどちらがどれ位多いのかがよくわかります。また、希望通りでない点が譲れないのか、妥協できるのかも、夫婦で議論しやすくなります。
生活がイメージできるか
具体的な生活がイメージできるかも重要です。各部屋を誰が使って、どこにどんな家具を置くのか。私が失敗した時は、後から思えばイメージがちゃんとできていませんでした。例えば、我が家はアップライトのピアノをリビングに置きたかったのですが、リビングに十分な広さのない家を選んでしまったのです。
人に相談する
夫婦で話し合っても迷う場合は第三者の意見を聞くのもありでしょう。我が家で購入を決めた際は、妻の両親にも一緒に下見してもらい、後押ししてもらいました。
まとめ
家の購入は一生に一度かもしれません。全てを満足する家を見つけるのは難しいですが、ご夫婦で納得できる家探しができるといいですね。
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