新橋ポンヌフのナポリタンスパゲティとハンバーグ

食べ歩き

優柔不断で、いつもメニュー選びに困るのだが、ことポンヌフに限ってはそれがない。

「ナポリタンスパゲティとハンバーグ」

が食べたくなったらここに来る。それ以外は食べたことがない。店内を見回しても、各テーブルにほぼ同じ景色が並んでいる。

選択の余地は2つ。

  • スパゲティハンバーグ 850円
  • ポンヌフバーグ 850円

前者はその名のとおり、ナポリタンスパゲティにハンバーグがのったもの。後者も同じなのだが、スパゲティの量がやや少なめで、その代わりにサラダとパンが付いている。

がっつり食べたい時は前者がおすすめ。スパゲティのボリュームはかなりのもので、食べごたえがある。ただし、後半は独特の酸味に飽きがくる可能性もあり。粉チーズで味を変えながら楽しみましょう。

その点、後者はバラエティを楽しめます。キュウリやレタスはケチャップ色に染まった口の中をさっぱりさせてくれます。

また意外と重要なのがパンの役割です。真ん中に切れ目があるのにピンときて、割ったハンバーグを挟んでみます。即席ハンバーグサンドのできあがり。

ハンバーグもしっかりとした味で美味しいけれど、ナポリタンとのコンビは自己主張の強い者同士となり、食べ進めると食傷気味になりかねません。

そこでほんのり甘さもあるパンに挟むことで、ハンバーグとパンが互いを引き立てあうのです。このパン、意外と(失礼!)おいしいんだよなー。

それにしても、ナポリタンって楽しい。

真っ赤なスパゲティをフォークに巻きつけるのがまず幸せ。しかもこのぶよぶよの食感がベタ過ぎて笑ってしまう。

20年前、フィレンツェで恐る恐る入った地元のレストランでカルボナーラを頼んだ。硬めのパスタに「これがアルデンテか」と感動した。かの長靴形の国で生まれた麺は、遠い極東の島国で、違うジャンルといいたくなる変異を遂げて生き残っている。

ハンバーグも普通で、独特だ。愛嬌のある形は小さく見えて、意外と丸々とボリュームがある。玉ねぎをアクセントにしっかり味がついている。でっかい肉団子と言ったほうが正解か。

場所は新橋駅前ビル。飲み屋など多様な店が軒を連ねる。ビルに一歩入ると平成を通り越し、昭和のにおいがするのは何故だろう。

1階、トリコロールの看板が目印。フランス語で「新しい橋」を意味するポンヌフは、時代と国をまたにかけている。

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