はなまる学習会 高濱正伸先生の講演がめちゃくちゃ面白い

小学校のイベントで、はなまる学習会 高濱先生の講演会がありました。

メチャクチャ面白かったので、概要をリポートします。

テーマ

子供をいかにして「メシを食える大人」に育てるかがテーマです。メシを食える、すなわち、仕事をして経済的に自立する大人にする、ということと理解しました。

また「言われたことしかできない」人間が増えていると嘆いてました。他人の価値観や世間の決めたランキングにばかり囚われるのでなく、ゼロベースで、自分の頭で考える、判断する。「メシを食える大人」には、そういう意味も含んでいると理解しました。

基盤と応用力

人間の力は次の2つに分けて説明されました。

  1. 基盤
  2. 応用力

基盤

何をするにしても必要となる基礎能力。読み書き計算など。当然必要ではあるけれど、例えば「計算がいかに早くできるか」といった、基盤の力を伸ばすことばかりを頑張るのはちょっと違うのでは、とのこと。

応用力

先生は応用力とは言っていません。的確な言葉がみつからないので、仮に応用力と書きました。基盤の上にのるソフト、プラスアルファ的な力、といった説明をしていました。たとえば下記のようなものです。

  • 知力
  • 人間力
  • 感性
  • 専門性

メシを食える大人になるためには、基盤はもちろん必要だけど、これらの力を高めることが大事とのこと。

例外的に、専門性が恐ろしく秀でている人は、基盤が少々欠けていてもメシを食える場合もある。例えばプロ野球選手や、ピアニスト、最近ではゲーマーなど。

高濱先生の考えとしては、「基盤」ばかり磨くのではなく、その他の能力を育てるのが重要であるということ。では、そのために何をするべきか、が気になりますよね!

基盤以外の力を伸ばすには?

子供の目の輝き

そもそもの大前提的な話ですが、何をやるにしても、子供が興味を持たないと効果が出にくいということです。

当然ですね。子供は好きなことはいつまでも夢中でやるけど、そうでなければすぐ飽きる。興味を持たせる。もっとも大事で、もっとも難しいのかも知れません。

「あんた、このパズル、創造力鍛えるのにいいからやりなさい!」

高濱先生が高い声をあげ、迫真の演技で母親の真似をすると会場は大爆笑。まるで我が家を外からのぞいているのではないかと思うほど、親の気持ち、やってしまいがちなことをよく理解されてるんです。だから、話が心にす〜と入ってくる。

親は教育によいと聞くと、すぐに子供にやらせようとするけど、それではなかなかうまくいかないんですね。人から強制されたのではなく、自分で選んでやったように仕向けるのが大事なのでしょう。

補助線を思いつく能力

ちょっと話が飛躍しますが、高濱先生がもっとも強く言いたいのがこれだと思います。

「補助線を思いつく」とは次の2つの力だと理解しました。

  • 課題を解決するために何が必要かを「想像する力」
  • そもそも何を課題に設定するかを「創造する力」

今は世界の問題が複雑化していると言われますから、上記なような力がより一層大事なのだと思います。

なお高濱先生が、サッカー選手の香川真司さんと補助線にこだわったサッカー教室を作る、との興味深い話もありました。「パスの軌道は補助線なのだ」というのは確かにそうかなと思いました。サッカーにも創造力はもちろん必要ですし。

外遊びが大事

補助線を思いつく能力を鍛えるには、外遊びがもっとも大事だ、というのも高濱先生の強い主張です。

なぜか。

「自然に放り込むと、子供は遊び方を勝手に見つけ出して遊ぶ。例えば川があれば、ダイビングを始めるといったように」

何を使い、どうしたら面白いか。新しい遊び方を考え、ルールを作り、カスタマイズする。たしかにベンチャー企業の社長の習性と相通じるものがありそうです。

「例えばサッカーをやろう、となったら、少なくともゴールの位置は決まっていますよね。ただ広い芝生があったら、どっちに向かうかからきめなくてはいけない」

だから、大変でも子供たちを連れて田舎に遊びに行くのだそうです。

感性

感性も大事とのこと。たとえば親が「今日の夕日はきれいだな~」と子供と感動を分かち合うような体験が、子供の感性を育てるのでは、とのこと。

読書に没頭する

すごい人は、たいてい読書に没頭する時期があるのだそうです。

言葉に気を配る

言葉の意味をないがしろにせず、正しい言葉を使おうと心がけることが、子供の思考力に良い影響を与えるとのこと。言葉は思考の道具なので、たしかにそうかも、と思いました。

あと当然のようですが、会話のキャッチボールがちゃんとできているか。親子の会話でも、意外とかみ合っていないことも多いようです。

その他

母親の子育てを助けるにはどうしたらいいかとの質問には

「昔と違い、現代の母親は子育てを助けてくれる存在が少なく、一人で頑張っていることが多い。愚痴を言えるママ友、自分の母親、ストレス発散する対象(夢中になれるアイドル)などがあるといいのでは」とのこと。

また妻と夫は全く違う生き物なので、妻はそれを理解したほうが良い、との話もありました。(女性(妻)にとって男性(夫)は金星人みたいなもの。金星人が目から緑色の光線を出したからといって、怒ってもしょうがないでしょ、なんて例え話は面白かった)

終わりに

高濱先生の著書もあり、読まれたことのある方も多いかと思います。しかし、実際に話を聞くと沁みこむこともあり、また単純に話がとても面白いです。チャンスがあれば、ぜひ一度、講演を聞いてみて頂きたいです。元気になります。

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